細胞診 Q&A

細胞診 -よくあるお問合せ

検体の保存方法を教えてください。

生検体(喀痰、尿、体腔液、穿刺した針洗浄液等)の場合:
冷蔵保存し、なるべく早めに提出してください。特に喀痰や尿では老廃物を多く含み、pHの変動等もあるため、微生物の繁殖や細胞の変性が進んでしまいます。
細胞の変性が強い場合、判定精度に影響が出ることがあります。

蓄痰(YM)、ポストチューブ検体(二連痰、三連痰)、婦人科自己採取検体:
保存液が入っていますので、常温保存で大丈夫です。但し、長期保存された検体では細胞の収縮変性が強くなるため判定が困難になってしまう場合があります。

検体の量はどのくらいあれば検査できますか?

1枚の標本に載せる検体の液量は少量ですが、検体中に含まれる細胞数が少ない(肉眼的に沈渣物が確認できない)場合は判定精度に影響する可能性があります。
また材料によっては目的とする細胞の採取不良や判定基準となる細胞の有無で検体不適正とさせて頂きます。

ガラスには何を記載すればよいですか?

受診された方の氏名、採取箇所が複数の場合はその部位を鉛筆で記入してください。
※標本染色にアルコールを使用しますので、油性マジックやボールペンで記入すると消えてしまいますのでご注意ください。
※こちらで検査受付時に検査番号を記入させて頂きます。あらかじめご了承ください。

採取容器は滅菌スピッツでないと、駄目でしょうか。

同一の検体で微生物検査に提出しない検体であれば滅菌スピッツでなくても大丈夫です。

検体採取から塗抹固定までの手順で注意することはありますか。

細胞診で使用するパパニコロウ染色は乾燥厳禁です。
喀痰や液状検体等の粘液や水分の多い検体では乾燥する可能性は低いですが、婦人科材料や穿刺液、血液の多い検体ではガラスに塗抹したら直ちに(秒単位の早さで!!)エタノール固定を行ってください。
特に寒い時期は暖房を使用される施設が多いと思いますので、速やかな固定が望まれます。

塗抹固定に使用するエタノール液やスプレーが用意できません。

検体採取(検査)前にご連絡頂けると幸いです。
また一度乾燥してしまった場合はガラスをエタノール固定せずに、一度ご連絡ください。

複数の検体を同一の依頼書で提出したいのですが・・・

同一の臓器内であればまとめて提出できます。
左右同時採取の場合も可能です。
婦人科材料と喀痰、乳腺とリンパ節、喀痰と胸水 等、採取臓器が異なる場合は依頼書を別々にしてください。

同一の検体で、微生物や一般検査も行いたいのですが・・・

採取量が限られている場合には同一の検体で一般検査や微生物検査を行うことができます。精度上、微生物検査が最優先となりますが検体量が少ない場合にはお問い合わせください。

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採取器具の種類について教えてください。

  1. 子宮頸がん検診の場合
    1. 綿棒:生理食塩水で湿らせて使用します。受診者に対して採取時の痛みや出血は軽減されますが、上皮細胞の量が少ない傾向があります。
    2. ブラシ、ヘラ:扁平上皮―円柱上皮境界部の採取がしやすい形状になっており、細胞採取量も多いため、液状細胞診に向いています。直接ガラスに塗抹する場合は塗りすぎないようにご注意ください。(細胞が重積して見えなくなってしまいます)
  2. 子宮体がん検診
    1. エンドサイト:頸管部の細胞混入が少なくなります。
    2. ブラシ:体部内膜の比較的広い範囲の細胞が採取できるようです。

月経期間中でも検査はできますか。

検査は可能ですが、血液の混入や細胞の変性・反応性変化が加わるため、お勧めはできません。
不正出血以外の理由で受診される場合は、月経中・月経直後を避けて検査されるとよいでしょう。

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蓄痰(YM式)を使用しましたが、3日分の喀痰を採取できません。

喀痰は体内では本来出にくい分泌物ですので、採取に苦労される受診者もいらっしゃるようです。
検体量としては、肉眼的に沈渣物を確認できることが望ましいです。採取日数が多いほど検査精度が上がる可能性はありますが、1日、2日分でも採取量を満たしていれば検査は可能です。
但し、検査を進めた結果として肺胞由来の塵埃細胞(肺胞内マクロファージ)が存在しない場合は、唾液成分と判断し、検体不適正となります。ご了承ください。

受診者が喀痰をティッシュに包んで持ってきました。

喀痰は体内では本来出にくい分泌物ですが、ティッシュに包まれた検体ではお受けすることができません。
胞診で使用するパパニコロウ染色は乾燥厳禁です。喀痰は本来水分の多い検体ですが、ティッシュによって水分が吸収されてしまう場合や紙繊維の混入等、検査に向かないことがあります。

蓄痰(YM式)で採取時に使用した白い紙は、どうすればよいですか。

採取容器に喀痰を入れやすくするためのものですので、提出時には不要です。標本作製に影響する場合もありますので、採取容器には入れないでださい。

蓄痰(YM式)と一緒に、白い粉末の入った容器が付いてきましたが・・・

蓄痰(YM式)では細胞保存作用の他、標本作製時に細胞を集めやすくするために喀痰の粘液を融解する成分が含まれています。白い粉末も粘液融解作用を促進させる成分です。受診者に配布する必要はありません。また多量に入れてしまうと細胞の収縮変性も強くなるため注意が必要です。

蓄痰(YM式)やポストチューブ等の採取容器の有効期限が過ぎています。使用できますか

有効期限が過ぎて直ちに固定液の成分が変わってしまうことはないようですが、明らかに製造日が古い採取容器は避けた方が無難です。

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早朝尿と随時尿ではどちらが検査に適していますか。

早朝尿や蓄尿では細胞数が多いですが、老廃物を多く含み、pHの変動等もあるため、微生物の繁殖や細胞の変性が進んでいます。随時尿でも成分の薄い(水っぽい)尿では細胞成分が少ないため、検査にはあまり向いていません。

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検体の採取量が多く、ガラスに塗抹した後も注射器内に残っています。

弊社にて検体から標本を追加作製することに有用です。塗抹後の残存検体はスピッツ(1本で十分です)に入れて提出して頂いて構いません。また穿刺針を生理食塩水で洗浄した検体も提出できます。

乾燥標本(ギムザ染色)の提出は必要ですか。

乾燥標本(ギムザ染色)は乳腺や甲状腺 等の穿刺材料では、判定の補助として有用です。特にリンパ節では多数の血球成分を見分けるのに活用できます。

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抗凝固剤は入れた方がいいですか。

胸腹水中に含まれるフィブリンが析出してしまうと、細胞が絡み取られてしまい検査結果に影響する場合があります。
可能でしたら、ヘパリンやEDTA等の抗凝固剤を少量添加して混和させてください。

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細胞診検査で検査不可(標本作製や判定が困難)なものは何ですか?

<標本作製が不可の例>
検体が固形物、あるいは乾燥している場合は標本作製ができません。病理組織診をご検討ください。

<評価判定が困難な例>
(1)抗酸菌(細菌の菌種同定)
標準染色のパパニコロウ染色では検索不可です。特殊染色(チールネルゼン染色)の追加、あるいは微生物検査をご検討ください。
(2)クラミジア感染、ウイルス(HPV;ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス)感染
標本中に感染時の典型的な細胞所見が認められた場合には報告書に記載させて頂きますが、絶対的な評価ではありません。免疫学的検査の併用をお勧めいたします。
(3)尿中結晶
エタノール固定により消失する場合があります。
(4)大便検体
標本作製は可能ですが、食物残渣が多く、細胞の変性も進んでいます。大腸がんの検索には向いていません。病理組織診をご検討ください。
(5)細胞の採取量が少ない場合
判定に十分な量が採取されていない場合は、参考値とさせて頂くことがあります。
また塗抹標本で細胞が重積している場合は、乾燥等により強い変性が加わっている場合は検査精度が低下してしまう可能性があります。あらかじめご理解、ご了承くださいます様よろしくお願いいたします。

依頼書の臨床所見欄の記載は必要ですか?

細胞診検査の場合、検診(健診)を目的に行われる事が多いかと思いますが、症状の有無や臨床所見、他の検査結果等の情報を頂けると、判定する際に大変参考になります。特に婦人科領域(子宮頸部、体部内膜)は、エストロゲンやプロゲステロン等のホルモン状態によって細胞の形態や配列構造が変化していく臓器のため、生理的な変化が大きく影響します。
臨床の先生方との情報交換を行う機会が限られていますので、依頼書に記載して頂いた情報から受診された方の状態や状況を把握し、先生方の診断の手掛かりとなる内容の報告書をお届けしたいと考えております。ご理解、ご協力くださいますようお願い申し上げます。

<特に記載して頂きたい内容>

検査領域  
共通   年齢、性別
前回歴(特に疑陽性判定であった場合)
病変が表在にある場合
(外陰部や皮膚腫瘤 等)
肉眼的所見
病変が深部にある場合
(乳腺、甲状腺、消化器、リンパ節 等)
画像検査(超音波、CT、MRI)所見
(部位および腫瘤径 等)
婦人科 子宮膣部・頸部

自己採取
最終月経
性周期:
(妊娠、授乳、月経周期不整、閉経)

ホルモン剤や避妊リング等の使用の有無
不正出血や帯下 等の症状の有無
コルポ診所見
内膜肥厚の有無
子宮体部
呼吸器 喀痰、蓄痰(YM)

二連痰、三連痰
X線検査 異常所見の有無
血痰、臨床症状の有無
体腔液 胸水、腹水
心嚢液、脳脊髄液
臨床的に悪性腫瘍の原発巣が推定・特定できる場合

報告書に記載された結果が「判定不能」でした。何故ですか?

検体の採取が不良であった可能性が考えられます。判定に十分な細胞が採取されていない場合、検体によって基準が異なりますが「判定不能(検体不適正)」とさせて頂きます。また細胞の変性や採取量等の条件によっては参考値と頂く場合がございます。
<「判定不能」の評価設定があるもの>

検査領域 検査材料 判定不能となる条件
婦人科 子宮膣部・頸部
自己採取
扁平上皮細胞の細胞数がベセスダ判定基準を満たしていない場合(例外あり)
子宮体部 体内膜細胞が採取されていない場合
呼吸器 喀痰、蓄痰(YM)
二連痰、三連痰
喀痰の指標となる肺胞由来の組織球(塵埃細胞;dust cell)が含まれていない場合
※唾液成分の場合、判定できません。
乳腺 穿刺材料 血液成分や脂肪組織のみが採取されている場合
甲状腺 血液成分のみが採取されている場合

尿、胆汁、膵液、体腔液、脳脊髄液についての自然剥離した細胞評価は、「判定不能」との報告はしておりません。但し細胞少数での判定のため、再検査や経過観察のご検討をお願いしております。
頸部リンパ節については、リンパ球成分が極少数の場合、リンパ節としての評価はできません。但し、甲状腺や皮下組織等が採取されているようでしたら参考値としてご報告いたします。

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